ブラウンキツネザルはマダガスカル島北西部と北東部に分布しているキツネザルの仲間で、低地から山地にかけての森林に生息し、乾燥林や熱帯雨林など、様々な森林地帯で見られる。 毛は短いが密生していて、カッショクキツネザルやチャイロキツネザルなどの別名で呼ばれることもあり、雌雄共に毛色は褐色や灰褐色などをしている。 また、英名のままブラウンレムールと呼ばれることもあり、目は赤色の強いオレンジ色をしているほか、手首には臭い線をもっている。 ふつうは5~12頭程度の群れで生活しているが、多い時には30頭近くの群れをつくることもある。 また、群れには複数の雌雄と子どもたちが含まれているが、ブラウンキツネザルにははっきりとした階級はなく、他のキツネザルのように、雌の優位も見られないと言われている。 昼間に活動するが、乾季の間などは夜間も活動することがあり、他のキツネザルと同様、果実や木の葉、花などのほか、樹皮や樹液、昆虫類やクモ、鳥の卵なども食べる。 キツネザルの中でもワオキツネザルなどは地上で活動することも多いが、ブラウンキツネザルはほとんどの時間を樹上で過ごし、稀にしか地上に降りて来ない。 また、長くて太い尾は樹上でのバランスを取るのに役立っているが、跳躍力にも優れていて、樹間を巧みに移動することができる。 行動範囲は0.01~0.2k㎡程度と言われているが、群れの大きさや食糧事情などによって変化する。 一夫一婦制、或いは一夫多妻と言われているが、詳しい繁殖形態などは分かっていない。 繁殖期は5~6月頃に見られ、妊娠期間120日程で、1産1子、稀に2子を出産する。 子どもは生後3週間ほどの間は、母親の腹にしがみついているが、その後は背中に乗って移動するようになる。 4~6ヵ月程で離乳し、雌雄共に1年半から2年で性成熟する。 外敵はフォッサなどで、飼育下での寿命は30年、長いもので35年と言われているが、野生ではこれよりも短く、20~25年程度と考えられている。 ブラウンキツネザルはキツネザル属の中では最も広く生息していて、コモロのマヨット島にも導入されているが、近年では生息数が減少していて、国際自然保護連合(IUCN)では準絶滅危惧種(NT)に指定している。 尚、ブラウンキツネザルの仲間(ブラウンキツネザル属)には ・Eulemur fulvus (ブラウンキツネザル / Common Brown Lemur) ・E. sanfordi (サンフォードブラウンキツネザル / Sanford's brown lemur) ・E. albifrons (シロビタイキツネザル / White-headed lemu) ・E. rufus アカキツネザル / Red lemur) ・E. rufifrons (Red-fronted lemur) ・E. collaris (エリクビキツネザル / Collared brown Lemur) ・E. cinereiceps (Gray-headed lemur / 以前はシロエリクビキツネザル・E. albocollarisとされていた種) ・E. macaco (クロキツネザル / Black lemur) ・E. flavifrons (Sclater's lemur) ・E. coronatus (カンムリキツネザル / Crowned lemur) ・E. rubriventer (アカハラキツネザル / Red-bellied lemur) ・E. mongoz (マングースキツネザル / Mongoose lemur) などが知られているが、E. albifrons と E. rufus は、E. fulvus の亜種とすることもある。 キツネザル科の動物へ / このページの先頭へ |
Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。 |
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ブラウンキツネザル (チャイロキツネザル)