フサオマキザル さんのプロフィール |
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フサオマキザルは、南アメリカ北東部などの森林地帯に生息していて、家族単位の群れをつくって生活している。 動物園などでもよく飼育されているが、知能が高く、簡単な道具を使うことが観察されている。
フサオマキザルの分布域・生息環境 フサオマキザルは南米のコロンビア西部からベネズエラ南部を経てガイアナ、スリナム、仏領ギアナのほか、ブラジル北西部などに分布している。 湿潤な亜熱帯林や熱帯林に生息しているが、乾燥林や二次林などにも生息している。 フサオマキザルの大きさ・形態 フサオマキザルは体重2~4kg程で、体は雄の方が大きい。 大きい雄では、体重が4.5kgを超えるものも見られ、雌雄ともに、オマキザルの中ではがっしりとした体格をしている。 体毛は厚くてふかい毛をしていて、毛色は褐色をしているが、黒っぽいものや淡い色のものも見られ変化がある。 また、体に比べて、四肢や尾は暗褐色などで黒っぽい色をしている。 顔は黒っぽくて毛がなく、名前のように、頭部にはフサのような盛り上がった毛が見られるのが特徴になっている。 この盛り上がったフサ毛は成熟した雄でははっきりとしているが、雌や子どもなどではあまりはっきりとはしていない。 また、フサオマキザルにはいくつかの亜種が知られていて、種類によってはフサ毛が耳の上に突き出しているようなものも見られるほか、個体によっても違いが見られ、逆三角形をしているものなど、フサ毛の形にはかなり変化が多い。 四肢には5本の指があり、爪はすべて平爪をしていて、後足で物をつかむこともできる。 尾は長く、先にまで毛が生えていて、樹上でのバランスをとるのに役立っている。 また、犬歯はかなり大きく、採餌しているときなどにはよく見える。 フサオマキザルの生態・生活 フサオマキザルは亜熱帯や熱帯の森林に生息しているが、乾いた森林や二次林、海岸近くの林などにも生息していて、標高1000m程の山地の森林にも生息している。 地上に降りることもあるが、主として樹上性で、樹木の中層から下層で生活していて、夜間も樹上で眠る。 普通は8~10頭、多くて15頭ほどの群れで生活し、時にはタマリンやクモザルの群れと一緒にいることもある。 群れは複数の雌雄とその子どもからなる家族単位で、成獣の雄が優位を占め、その次には優位な雌が続く。 この為、雄の中には優位な雌よりも順位の低い雄も見られる。 平均的な行動範囲は8~9平方kmと言われているが、1.25~2.5平方km程度のようなこともあり、行動範囲は生息する地域の食糧事情などによって大きく異なる。 また、行動範囲は縄張りの範囲にもつながるが、縄張りの主張は尿を掌につけて、それを更に足の裏や体にこすりつけ、通った跡に臭いをつけるなどして行われる。 フサオマキザルは日の出とともに活動し、採食に出かけるが、先頭のリーダーが枝を渡っていくと、ほかのものはその同じあとに続いていく。 主に果実を食べるが、木の実や木の根、茎などのほか、昆虫や爬虫類、両生類や鳥、その卵などの動物質も食べ、川にいるカニなどの甲殻類も食べる。 また、食料が少ないような場合は、群れの中の優位な雄が優先権を持っていて、順次劣位のものへと採餌が行われる。 フサオマキザルはかなり賢いサルで、 ネズミの尻尾を持って、手の届かないところのエサをとらせた例や、野生ではコモンマーモセットを養育した報告もされていて、新大陸のサルでは最も知能が高いと考えられている。 採食時においても、木を叩いて中にいる昆虫の有無などを調べたりすることなどが知られているが、フサオマキザルは簡単な道具なら使うこともできる。 特に、硬い木の実を割るのに石を用いることが知られているが、叩き割る石だけでなく、木の実を割る石の台も選び、これらをうまく使って殻を割る。 この時、叩き割る石を頭の高さほどにも持ち上げ、自分の体重をかけて木の実を割るようにするが、これには高い知能が必要とされている。 更に、大きいヤシの実などを割るときなどは、両手で抱えて、台になる石のところまで二足歩行で運んでいったりもする。 主な外敵はワシやタカなどの猛禽類が知られているが、大型のヘビやジャガー、ピューマなどに襲われることもある。 危険が迫ると大きな鳴き声をあげ、群れの仲間に警告するが、特に猛禽類に対しては警戒心が強いと言われている。 このほか、フサオマキザルは子どもの時から飼育するとよく馴れ、芸を覚えたりもするが、完全に成長すると体も大きくなり、顎の力が強く、犬歯も鋭いので危険でもある。 フサオマキザルの繁殖・寿命 フサオマキザルには決まった繁殖期は見られないが、出産は乾季や雨季の早い時期に多く見られる。 繁殖は一夫多妻で行われるが、雌は優位な雄と優先的に繁殖すると言われている。 雌の妊娠期間は150~180日程で、ふつうは1産1子を出産するが、稀に2子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は200~250g程で、生まれると自分で母親の背中にしがみつき、授乳時には胸に抱かれる。 子どもは数ヵ月程の間は母親の背中に乗って育てられるが、親と離れているときなどは、他の仲間が面倒を見る。 授乳期間は1年半ほどで、雌は4年程で性成熟するが、雄は7年程度はかかるとされている。 また、雌は出生した群れに留まるが、雄は成熟する頃には群れを離れていく。 野生での寿命は詳しくは分かっていないが、10~15年程度と考えられている。 一方、飼育下での寿命は30年を超え、45年を生きた個体も知られている。 フサオマキザルの保護状況・その他 このほか、フサオマキザルには、およそ次のような亜種が知られているが、今後の研究によっては新たな分類が示されるとも考えられている。 Cebus apella apella (Tufted capuchin、Brown capuchin) ブラジルやフランス領ギアナ、スリナム、ガイアナ、ベネズエラなど、アマゾン川下流域に分布する基亜種。 C. a. fatuellus (Colombian brown capuchin) コロンビア C. a. macrocephalus (Large-headed capuchin) アマゾン川の上流から中流域 C. a. margaritae (Margarita Island capuchin) ベネズエラのマルガリータ島 C. a. peruanus (Peruvian tufted capuchin) ペルーなど C. a. tocantinus (Tocantins tufted capuchin) ブラジル・カンティンス川下流など 尚、フサオマキザルは現在のところ絶滅の危惧はないとされているが、ベネズエラのマルガリータ島に分布している亜種であるMargarita Island capuchinは個体数が少なく、国際自然保護連合のレッドリストに絶滅危惧種(CR)として指定されている。 |
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