ショウガラゴはセネガルからアフリカ中部、ケニア、タンザニアなどに広く分布する夜行性の動物で、別名をセネガルガラゴやブッシュベビーとも呼ばれることがある。 毛色は銀灰色から褐色などで、短いがふかふかとして厚い。 鼻や四肢の裏側以外は全身が毛で被われていて、目は大きくて丸く、耳も大きい。 また、耳は折りたたむことができるし、尾は体長よりも長く、樹上でバランスを取る役目を果たしている。 四肢には5本の指をもっているが、指は長く、指先はしっかりと木の枝などを握ることができるように平たくなっている。 また、後肢の第2指だけは鉤爪だが、他の爪はすべて平爪になっている。 体は小さく、オオガラゴの半分程度しかないが、握力は強く、後ろ足だけで木の枝にぶら下がることができ、そのまま体を起こすことも出来る。 ショウガラゴは深い森林や雑木林、荒れた草木地帯など、アフリカの多雨林地帯周辺のさまざまな環境に適応しているが、ほとんど樹上生活をしている。 完全な夜行性の動物で、昼間は木の洞や茂みなどに作った巣の中で休んでいるが、時には古い鳥の巣穴などを利用して眠っている。 昆虫類をよく捕らえ、特にバッタを好むが、雑食性で小鳥やその卵、果実、種子、樹脂なども食べる。 昆虫を捕らえるときは跳躍して飛びついて捕らえるが、聴力はかなり優れていて、昆虫の羽ばたく音を聞き分け、手を伸ばして捕まえることもある。 この時、大きな目が役立っているが、ショウガラゴの目にはイヌやネコなどに見られる「輝膜(こうまく)」(タペタムとも)と呼ばれる反射層があり、これによって光を増幅して、暗闇でも正確にものを捉えることが出来ている。 同じ夜行性であるスローロリスなどとは違って動きはかなり素早く、暗闇の中でも枝から枝へ敏捷に移動し、その動きは目には止まらないほどである。 地上でも俊敏で、跳躍力に優れた後肢で跳躍し、その距離は3m以上にもなる。 また、短い距離は後足だけでピョンピョンと跳ねるように移動する。 群居はせず、普通は雌はその子どもと生活し、雄は単独か少数の群れで生活している。 また、雌雄それぞれに縄張りを持ち、尿でマーキングをするが、ショウガラゴは手足を尿で湿らす習性がある。 これは、移動したときに手足につけた尿が樹木などについて残り、その後が縄張りの印になる為と考えられている。 鳴き声は高いチューチューというような声をたてるが、様々な鳴き声を出して仲間とのコミュニケーションをとり、特に朝夕にはよく鳴き声をあげる。 外敵はジャコウネコの仲間などが考えられるが、ショウガラゴは樹上生活をしているので、フクロウなどの猛禽類に襲われることも多い。 また、チンパンジーは小型のレイヨウ類やサル類などの動物を襲うことが知られているが、ショウガラゴも昼間に潜んでいるところをチンパンジーに襲われたりすることがある。 性質はおとなしく、繁殖は年に2回行われると考えられている。 繁殖期は地域などによって異なるが、妊娠期間120~140日の後、ふつう1産1~2子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は12~15g程で、体は厚い毛で覆われ、目は半ば開いている。 子どもは親にしがみついているが、生後二週間ほどで歩けるようになる。 ひと月ほどで体重は5倍ほどになり、この頃には自分で昆虫などを捕らえることが出来るようになっている。 野生での寿命は10年程度、飼育下では15年程度と思われるが、飼育下では18年を超えるものも記録されている。 ショウガラゴにはいくつかの亜種が知られているが、現在のところ、国際自然保護連合のレッドリストでは絶滅の恐れが少ないとされている。 しかし、地域によっては森林などの開発が進んでいるところもあり、生息数の減少も懸念されている。 ガラゴ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ショウガラゴ (ブッシュベビー)