レッサーパンダはインド北東部のシッキム地方やネパール、ミャンマー北部、中国の四川省と雲南省などのヒマラヤ山脈からホントワン山脈にかけて分布していて、体は雄の方が少し大きい。 別名・クマネコとも呼ばれていて、頭部は丸く、耳は三角形で大きい。 四肢は短いが、それぞれに5本の指をもっていて、爪は少し引っ込めることができる。 毛は長くてやわらかく、四肢と腹部は黒褐色で、口のまわりや耳の端は白い。 また、英名では「Red Panda」などとも呼ばれているように、背面は栗色や茶色の赤っぽい色をしている。 尾はかなり長く、毛はふさふさとしていて、何本かの濃色の輪が見られ、先は黒い。 この長い尾は樹上でバランスをとる役目を果たしているが、地上を歩く時には尾を水平に持ち上げて、真っ直ぐに伸ばすようにして歩く。 足の裏にも毛があり、蹠行性で、歩く時にはクマのように地面にかかとをつけて歩く。 レッサーパンダの多くは標高2200~4800m程の高地の落葉樹や針葉樹林などに生息しているが、インドの北東部のメーガーラヤなどでは標高700~1400m程のところにも見られる。 昼夜共に活動するが、どちらかと言えば夜行性で、昼間は樹上で眠っていることが多い。 夜になると地上に降りて活動をはじめるが、特に夕暮れや早朝に活発に動きまわる。 主に若タケやタケノコ、ドングリ、草、果実、木の実などを食べるが、動物質としては、鳥や鳥の卵、小動物なども食べる。 また、掌にはジャイアントパンダのようなこぶ状の突起があって、物をもちやすいようになっている。 レッサーパンダは木登りがうまく、鋭い爪を使って逆さまになって木から降りることも出来るが、この時は前肢で木を抱え込むようにして降りてくる。 しかし、視覚、聴覚はにぶく、嗅覚もあまり鋭くない。 行動範囲は食糧事情や生息環境によって変化するが、平均すると1~4k㎡程と言われている。 肛門の周辺には臭腺が発達していて、樹木に臭いをつけるなどでして縄張りを主張する。 この様子は動物園などでもよく見られるが、レッサーパンダはタヌキのように特定の場所で排糞する習性がある。 また、縄張りを主張する以外にも、興奮したりすると、肛門線から強いジャコウのような臭いを出す。 繁殖期や子育ての間は家族単位で生活するが、普段は単独で生活している。 繁殖期は1月~3月中旬頃で、雌雄共に複数と交尾を行う。 妊娠期間は112~158日、平均すると134日程で、1産1~4子、稀に5頭が生まれることもあるが、普通は2子を出産する。 また、雌は出産の数日前になると樹の洞や岩の割れ目などを利用して巣をつくり、枝や草などの巣材を運び入れるようになる。 生まれたばかりの子どもの体重は110~130g程で、毛は生え揃っているが、目は閉じている。 生後18日程で目は開き、3ヵ月程すると巣穴から出てくるようになる。 5ヵ月程で完全に離乳し、雌雄共に18~20ヵ月程で性成熟する。 外敵にはユキヒョウなどが知られているが、幼獣はワシやフクロウなどの猛禽類に襲われることもある。 野生での寿命は8~10年程度、飼育下では13~14年程と言われているが、飼育下では20年近いものも知られている。 レッサーパンダにはネパールレッサーパンダ(A.f. fulgens)とシセンレッサーパンダ(A.f. styani)の2亜種が知られているが、密猟や近年の生息地の減少などで、生息数は少なくなっている。 現在、いずれの亜種も国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定されているが、更なる生息数の減少が懸念されている。 尚、レッサーパンダはアライグマやクマに近い特徴をもっているので、かつてはジャイアントパンダと共にアライグマ科に分類されていたが、現在では独立したレッサーパンダ科を形成している。 レッサーパンダ科の動物へ / このページの先頭へ |
Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。 |
このページの先頭へ |
レッサーパンダ (クマネコ)