オグロワラビーはオーストラリアの東部に分布している小型のカンガルーで、ビクトリア州からニューサウスウェールズ東部、クイーンズランド州東部などに分布している。 毛は粗く、全体に暗い茶色や暗褐色などをしているが、四肢の先は黒っぽく、体よりも暗い色をしている。 また、尾も黒っぽい色をしていることから、「オグロ」の名前が付けられている。 後足は前足よりも大きく、尾は体長と同じくらいの長さがある。 頬にはしばしば白色や淡い色の帯が見られ、体は雌よりも雄の方が大きく、雌は腹部に育児嚢をもっている。 普段は単独で生活し、下草の多い森林などに生息している。 沼地近くの林に多く見られ、水浴びを好むことから、別名を「ヌマワラビー」などとも呼ばれている。 しかし、耕作地の近くに現れたり、標高1800m辺りの高地にも生息している。 ベネットワラビーやパルマワラビーなど、他のワラビー類と同様、草類や木の芽、低木の木の葉やシダ類などを食べるが、採食する時は前足を器用に使って食べる。 基本的に夜行性の動物だが、動物園などの飼育下では日中でもよく活動している。 また、オグロワラビーは他の動物と一緒に同じ場所で採食していることも多く、特に縄張り意識を見せることはない。 移動する時はカンガルーのように後足を使って跳躍するが、ゆっくり移動する時は、前足を地面につけて四肢を使って移動する。 繁殖の時期は決まっていないようで、1年を通して見られる。 雌は妊娠期間33~38日程で、1産1子、稀に2子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は0.6g程度で、8~9ヵ月の間は母親の育児嚢の中で成長する。 授乳期間は15ヵ月程あるが、雌雄共に18ヵ月頃までには性成熟し、野生での寿命は12~15年程度と考えられている。 外敵は、移入されたアカギツネのほかは知られていないが、オグロワラビーは農作物に被害を与えることがあるので、時に害獣として駆除されることがある。 しかし、現在のところ絶滅の恐れはないとされていて、保護地域の中では、生息域が増加傾向にあるとも言われている。 尚、ワラビーとは小型のカンガルーを指す総称で、体の大きさによって、大きいものをカンガルー、小さいものをワラビー、その間のものをワラルーと呼び、いずれも育児嚢で子どもを育てることなどは同じである。 また、本種などは森林地帯に生息しているが、ワラビーの中には、イワワラビーの仲間のように、岩場のような荒れた土地に生息するものもいる。 カンガルー科の動物へ / このページの先頭へ |
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オグロワラビー (ヌマワラビー)