「ラクダ」は、ラクダ科の中でも背中にコブをもっているラクダ属(以下ラクダ)を指す一般的な呼称で、現存するものでは2種が知られている。 アジアが原産で、体色は所謂キャメル色で、首は長く、四肢も細くて長い。 2本の指をもっていて、蹄は小さいが、角質化した大きな蹠球(しょきゅう/足裏の出っ張り)をもっている。 この蹠球は座布団のような役割をしていて、地面につく足裏の面積を大きくしている。 いずれも砂漠地帯や荒れた乾燥地帯やステップなどに生息しているが、まつ毛は長く、鼻孔は自由に閉じることができ、砂塵などが入ることを防いでいる。 膝にはたこが見られ、硬い地面に座ることにも適しているほか、大きな蹠球も砂に足が沈まないように助けている。 草食性で、草類や木の葉などを食べるが、胃は四室に分かれていて反芻を行う。 また、ラクダの上唇はウサギのようにふたつに分かれていて、反芻するときには下顎を左右に動かして行う特徴がある。 水は暑さの厳しい砂漠地帯でも数日程は飲まずに過ごすことができるが、背中のコブは脂肪が詰まっていて、水の貯蔵とは関係がない。 しかし、水は一度に80~130リットル程も飲むことができ、他の哺乳類とは違い、血液中にも多くの水を吸収する事ができる特徴をもっている。 また、発汗や尿の排出は抑えられ、乾燥した糞を排出するなど、ラクダは体温調整をうまく行っていて、乾燥した砂漠地帯などでの生活に適応した体をしている。 持久力や耐久力もあり、重い荷物を乗せて長距離を移動できるほか、ゆっくり走っているように見えるが、時速にすると40km程の速さで駆けることができ、短い距離なら60km/h程の速度でかけることができると言われている。 (しかし、ラクダは交互に同じ側の足を出して歩く側対歩であるため、ウマなどと比べると乗り心地は悪い) この為、ラクダは古くから大切な家畜として利用されていて、現在でも多くは砂漠地帯などでの荷物の運搬用に使役されているが、乳用や肉は食用に利用されるほか、皮や被毛なども利用されている。 妊娠期間は13~15ヵ月程で、1産1~2子、子どもは生まれたその日に歩くことができる。
この他、広義の「ラクダ」は南アメリカに分布しているラマ属とビクーナ属を含めたラクダ科の動物の総称としても用いられることがあるが、南アメリカに分布しているものは、現在4種が知られている。 いずれも背中にコブはもっていないが、口先はやわらかくて、上唇はウサギのようにふたつに分かれているほか、胃は四室に分かれていて反芻することなど、アジア・アフリカに分布しているラクダ属と多くの共通点が見られる。
全て標高の高いアンデス地方に生息しているが、ラクダ属と同様古くから家畜化されていて、食用のほか、厳しい山岳地帯の運搬手段などにも利用されている。 特に被毛は繊維やロープなどに利用され、アルパカやビクーナの毛はウールの中でも高級なものとされている *写真右下4枚はラマ、その上2枚はヒトコブラクダ、その他はフタコブラクダ ラクダ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ラクダ