タイワンジカは、国内にも生息しているニホンジカの亜種で、台湾島固有の亜種とされている。 しかし、角や皮、肉などを目的とした乱獲によって、野生のものは既に絶滅していて、現在は飼育下で繁殖したものだけが残っている状況になっている。 また、元来の分布域は不明で、極東やインドシナ半島にも分布していたのではないかとも考えられている。 外見は国内のニホンジカと大変よく似ていて、体は雄の方が大きく、角は雄だけに見られる。 この角は、繁殖後の春先には落ち、その後、新しい角が生えてくるのも同じだが、タイワンジカの角は第1枝が短い特徴があるとされている。 毛色も、夏毛は淡い褐色をしているが、冬毛はオレンジ色を帯びた褐色をしている。 しかし、国内のものは、夏毛や若いものには体全体に白い斑が見られるが、タイワンジカは、ふつうは成獣でも夏毛・冬毛共に白い斑が残っている。 また、この白斑が梅の花のように見えることから、ハナジカ(花鹿)やカロクなどと呼ばれることもある。 タイワンジカの生態なども国内に生息するニホンジカとよく似ていると考えられていて、山地から平野部の森林や二次林、低木林などに生息していたと言われている。 朝夕には活発に活動し、草食性で、木の葉や草類、樹皮や木の実、花などを食べることなども同じである。 飼育下での繁殖期は11月頃で、この時期の雄は、数頭の雌を従えてハーレムをつくる。 妊娠期間は7ヵ月程で、雌はふつう1産1子を出産する。 また、飼育下での寿命は、他のニホンジカと同様、15~18年程度と言われている。 このほか、タイワンジカは、飼育されたものが台湾の国立公園などに再導入されているが、国内には1945年頃、和歌山に観光を目的として移入したものが逃げ出して、定着している。 このため、在来のニホンジカとの交配などが心配されていて、キョンやアライグマ、ヌートリアなど共に特定外来生物に指定されている。 シカ科の動物へ / このページの先頭へ |
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タイワンジカ (ハナジカ)