動物図鑑・シセンレッサーパンダ

シセンレッサーパンダ

シセンレッサーパンダさんのプロフィール


動物図鑑・シセンレッサーパンダ
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和 名 シセンレッサーパンダ
分 類 食肉目・レッサーパンダ科
学 名 Ailurus fulgens styani
英 名 Lesser Panda / Cat-Bear / Red Panda
分布域 ミャンマー北部や中国南西部など
生息環境 山岳地帯の森林など
体 長 50~65cm 程度
尾 長 30~50cm 程度
体 重 4~7.5kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (EN)
シセンレッサーパンダは、ミャンマー北部や中国南西部などに分布しているレッサーパンダの亜種で、基亜種と同様、山地の森林地帯などに生息している。

主に竹などを食べるのも基亜種と同じで、前足にある突起を器用に使って、枝を口に引き寄せて食べる。
●分布域・生息環境
●大きさ・特徴
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他

●写真ページ


シセンレッサーパンダの分布域・生息環境
レッサーパンダはインド北東部のシッキム地方やネパール、ブータンやミャンマー北部、中国の四川省と雲南省などのヒマラヤ山脈東部からホントワン山脈にかけて分布している。

この内、シセンレッサーパンダは、チベット高原を流れるヤルンツァンポ川を境にして、東側のミャンマー北部や中国の四川省と雲南省などに分布している。

山地の落葉樹林や針葉樹林などに生息していて、標高1500~4000m辺りで見られるが、生息地は連続していない。


シセンレッサーパンダの大きさ・特徴

シセンレッサーパンダは体長50~65cm、体重は4~7.5kg程で、雌雄ともにほぼ同じ大きさをしている。

しかし、ヤルンツァンポ川の西側のインド北東部やネパール、ブータンなどに分布している基亜種・Ailurus fulgens fulgens(ヒマラヤレッサーパンダ)よりもやや大きいと言われている。

その他は基亜種とほとんど同じで、頭部は丸く、三角形の大きな耳が特徴になっている。

四肢には5本の指があり、爪は少しだが引っ込めることができる。

また、レッサーパンダの前足の掌にはジャイアントパンダのようなこぶ状の突起があるのが特徴になっているほか、一対の肛門腺があり、アンモニアのような臭いの分泌物を分泌する。

毛色は、背面が赤褐色や栗色、茶色などのような赤っぽい色をしていて、英名の「Red Panda」の由来になっているが、シセンレッサーパンダは全体に基亜種よりも濃い色をしている。

一方、四肢と腹部は黒褐色で、口のまわりや耳の端は白い色をしている。

足の裏にも毛があり、雪の上などを歩くのに適しているが、歩く時は蹠行性で、クマの仲間アライグマのように地面にかかとをつけて歩く。

尾は体長と同じほど長く、フサフサとした毛に覆われていていて、リング状の模様が幾筋見られる。

この長い尾は樹上でバランスをとる役目を果たしているが、尾は物に巻き付けたりすることはできないほか、リング状の輪がほとんど見られないものもいる。


シセンレッサーパンダの生態・生活

シセンレッサーパンダは、竹林のある山地の森林地帯に生息している。
水辺からそれほど離れていないところで見られ、子どものいる雌以外は、普段は単独で生活している。

シセンレッサーパンダは昼夜共に活動するが、どちらかと言えば夜行性で、夕暮れから夜明けにかけて活発に活動する。

採餌は地上と樹上の両方で行うが、採餌をしていないときは、ほとんど樹上で生活している。

長い尾は樹上でのバランスをとるのに役立っているが、樹上では特に敏捷ということもない。
それでも、木から降りるときは頭を下にして降りることもでき、木登りはうまい。

地上を歩く時には尾を水平に持ち上げて、真っ直ぐに伸ばすようにして歩いている。

主に若竹やタケノコ、竹の葉などを食べるが、低カロリーの竹の餌を補うために、花や種子、果実などのほか、鳥やその卵なども食べ、時には昆虫類やネズミなどの小型の哺乳類も食べる。

竹などを食べる時は、前肢にあるこぶ状の突起を使って、枝を口元まで引き寄せて食べているが、これを器用に使って物をつかんだりすることもできる。

行動範囲は食糧事情や環境、季節などによって変化するが、中国の保護区では、雄が1.1平方km、雌が0.95平方km程であると言われている。

また、行動範囲は縄張りにも結び付いているが、縄張りは、肛門腺や周囲の腺からの分泌物を樹木などに臭いをつけて主張する。

外敵はユキヒョウウンピョウなどが考えられているが、幼獣はワシフクロウなどの猛禽類に襲われることもある。


シセンレッサーパンダの繁殖・寿命

シセンレッサーパンダの繁殖期は1月~3月頃で、雌雄ともに複数のものと交尾する。

雌の妊娠期間は平均すると131~134日程で、1産1~4子、普通は2子を出産する。

雌は出産の数日前になると樹の洞や岩の割れ目などに巣をつくり、枝や草などの巣材を運び入れるようになる。

生まれたばかりの子どもはの体重は110~130g程で、灰色の毛が生え揃っているが、目は閉じている。

育児は雌によって行われ、母親は、1週間ほどの間はほとんど子どもの近くで世話をしている。

子どもは生後18日程で目が開き、3ヵ月程すると巣穴から出てくるようになる。
5ヵ月程で完全に離乳し、生後1年ほどで親と同じ大きさほどに成長し、独立した生活をはじめるようになる。

その頃には母親の元から離れ、新しい生活圏をもつようになるが、雌雄共に完全に性成熟するには18~20ヵ月ほどはかかると言われている。

また、シセンレッサーパンダの野生での寿命は8~10年程度、飼育下では13~14年程と言われているが、飼育下では20年近いものも知られている。


シセンレッサーパンダの保護状況・その他

シセンレッサーパンダは、近年の森林伐採や開発などによって生息地が減少していて、それに伴い個体数も減少している。

かつては中国の貴州省や青海省、甘粛省や山西省などにも分布していたが、現在は地域的に絶滅してしまっている。

現在、国際自然保護連合(IUCN)ではレッサーパンダを絶滅危惧種(EN)に指定しているが、開発なども止まないほか、違法なペット取引なども行われていて、更なる個体数の減少が心配されている。

尚、レッサーパンダは、シセンレッサーパンダとヒマラヤレッサーパンダの2亜種が知られているが、これらは独立種という意見もあり、今後の研究によっては、レッサーパンダは2種になる可能性もある。

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