マゼランペンギン

マゼランペンギン さんのプロフィール


マゼランペンギン

マゼランペンギン

ペンギン目・ペンギン科
学 名 Spheniscus magellanicus
英 名 Magellanic penguin
分布域 南アメリカ沿岸域
生息環境 繁殖期以外は外洋生活をしている
全 長 60~75cm 程度
体 重 2.5~6.5kg 程度

マゼランペンギンは南アメリカ沿岸域に分布している中型のペンギンで、全長60~75cm程の大きさがある。
他のペンギンと同様、背側が黒く、腹側は白い色をしているが、胸にある二本の黒い帯が特徴になっている。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


マゼランペンギンの分布域・生息環境
マゼランペンギンは南アメリカ沿岸域に分布しているペンギンの仲間で、名前のように、繁殖は南アメリカ大陸南端とフエゴ島とを隔てるマゼラン海峡周辺やフォークランド諸島で行われる。

繁殖期以外は北上し、ペルーやブラジル辺りの沖で過ごしているが、バヌアツやニュージーランド、オーストラリアのほか、南極半島でも迷鳥として観察されている。


マゼランペンギンの大きさ・形態
マゼランペンギンは全長60~75cm程の中型のペンギンで、体は雄の方が大きい。

また、平均した体重は雄で4.7kg、雌は4.0kg程だが、体重は2.5~6.5kg程まで、雌雄ともに季節によって変化する。
3月頃の換羽の前には体重が7.5kg程になるものも見られるが、換羽の間は海に出て餌を食べることができないため、体重は大きく減少する。

羽毛は他のペンギンと同様、背側が黒く、腹側は白い色をしている。
一見すると、同属のフンボルトペンギンケープペンギンとよく似ているが、マゼランペンギンははっきりとした黒い帯が2本あることが特徴で、動物園や水族館などでも見分けることができる。

この黒い帯は、一本は首の辺り、もう一本は胸の辺りを通っていて、胸を通るものは大きな馬蹄形のようにも見える。

一方、ヒナや若いものの背は褐色や灰色を帯びた暗青色のような色で、腹側は淡い色をしているほか、若鳥には胸の帯が1本しか見られない。

また、成鳥の足は黒いが、若いものにはまだら模様があり、成鳥になるにつれて消失して黒い色になる。


マゼランペンギンの生態・生活

ペンギンは寒い地方に生息している印象が多いが、マゼランペンギンは南アメリカ中部以南の温帯域で生活している。

繁殖期はチリ南部やアルゼンチン南部などで過ごしているが、繁殖期が過ぎるとブラジルやペルー辺りに北上し、大きな群れで外洋生活をしている。

ほとんどの時間を沖合で過ごし、海岸から100~1,000kmも離れた遠洋生活を送り、主にイワシやカタクチイワシ、タラなどの魚類を食べる。

また、イカやオキアミ、甲殻類などの他、クラゲなども採餌し、マゼランペンギンは地域や季節に応じて様々なものを食べる。

採餌の多くは水深20~50m程のところで行われ、1~2分ほど潜って獲物をとらえるが、マゼランペンギンは水深70m以上も潜ることが確認されていて、100m近くまで潜ることができる。

また、普段はゆっくりと泳いでいるが、獲物を追いかけるときなどは、時速25km程の速さで泳ぐと言われているほか、警戒心が強いとも言われているが、水の中では人を恐れることがない。

外敵はオタリアシャチなどだが、陸上ではアカギツネハイイロギツネピューマなどにも襲われ、ヒナや卵はカモメ類などに襲われることもある。


マゼランペンギンの繁殖・寿命
マゼランペンギンの繁殖期は9~2月頃で、9~10月には繁殖地に戻り、コロニーと呼ばれる大きな集団をつくって営巣する。

交配は一夫一婦で行われ、その関係は長期間に渡って維持されると言われている。

繁殖は、まず雄が先に繁殖地に戻り、大きな声を上げて巣の周りに縄張りを主張することからはじまる。

営巣の場所は海岸に近い森の中や低木のある草原、砂礫の多い場所など様々だが、巣の場所は前年に使われたものが引き継がれることが多い。

また、巣は地上につくられるが、穴が掘りやすいところではトンネルを掘って巣をつくる。

雌は数日遅れで繁殖地に到着し、ほとんどの場合前年のペアと再会し、雄の求愛行動が行われる。

雌はふつう2日あけて2個の卵を産み、40日程の抱卵期間がある。
孵化したヒナは最初のものの方が大きい傾向があり、親からの餌もより多く得ることができることもあり、ふつうは1羽だけが成長すると言われている。

ヒナは1か月ほどの間は親からの給餌を受けて育ち、2か月を過ぎるころには自立する。
幼鳥は群れになって水の中に入って行くが、親は換羽のために数週間ほどは陸に留まっている。

雌雄ともに4年ほどで性成熟し、寿命は長く、飼育下では25~30年程度、長いものでは40年の個体が記録されている。
野生下ではこれよりも短いが、15~20年ほどの寿命があると言われている。

また、動物園や水族館などの飼育下では、同属のフンボルトペンギンと雑種を生じることがあり、野生でもまれに交雑が起こることが知られている。

この為、マゼランペンギンはフンボルトペンギン、ケープペンギンなど共に、同種であるとする場合もあるが、これらの雑種は繁殖成功率が低いと言われている。


マゼランペンギンの保護状況・その他

かつては生息数が減少していて、国際自然保護連合 (IUCN) では一時準絶滅危惧種(NT)として指定していたが、保護区などの設置によって個体数はやや回復し、現在の生息数は安定している考えられている。

しかし、ゴミの投棄などによる生息環境の悪化や漁業による餌の減少、船舶事故による油の流出などによる海洋汚染が心配されている。

この他、マゼランペンギンは、フンボルトペンギン属に属するペンギンで、別名・パタゴニアペンギン、ジャッカスペンギンなどと呼ばれることもある。
しかし、アフリカ南部に分布しているケープペンギンも別名・ジャッカスペンギンなどと呼ばれることがあり、この呼称だと混同することがあるので注意する必要がある。

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