ブラジルカイマン さんのプロフィール |
ブラジルカイマン |
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ワニ目・アリゲーター科 | ||||
学 名 | Paleosuchus trigonatus | |||
英 名 | Smooth-fronted caiman / Schneider's dwarf caiman | |||
分布域 | 南アメリカ | |||
生息環境 | 森林内の河川や湖沼など | |||
全 長 | 1.2~2m 程度 | |||
体 重 | 10~20kg 程度 |
ブラジルカイマンは南アメリカに広く分布しているアリゲーターの仲間で、体はかなり小さい。 森林内の河川周辺に生息していて、夜間に活動することが多い。
ブラジルカイマンの分布域・生息環境 ブラジルカイマンは南アメリカの広い地域に分布していて、西はペルーから東はフランス領ギアナにかけてより南に分布している。 アマゾン川とオリノコ川流域の、森林地帯を流れる川や小川、湖沼などに生息していて、他のワニ類よりも冷たい水を好むと言われている。 ブラジルカイマンの大きさ・特徴 ブラジルカイマンは雄の全長が2m、雌は1.4m程の小型のワニで、アリゲーター科の中ではコビトカイマンに次いで体が小さい。 それでも、大きい雄は全長が2mを超え、体重が35kg程に成長するもの見られる。 メガネカイマンとは似ているが、ブラジルカイマンには、目の間に隆起がないのが特徴になっている。 尾は比較的短いが、2列の鱗板が左右に広がるように突き出ていて、幅広く見える。 また、皮膚は硬く、後頭部から背にかけては、皮骨と呼ばれる大きな骨板があるのもブラジルカイマンの特徴になっている。 体は暗い灰褐色のような色をしているが、頭部はやや黄色味を帯びている。 ブラジルカイマンの生態・生活 ブラジルカイマンは森林内の川や小川、湖沼などに生息していて、標高1300m辺りまで生息しているが、開けた環境で見られることはない。 普段は単独で生活していて、日中の間は水の中や森林内の下草の多いところ、倒木の下や樹洞などに潜んでいることが多い。 主に夜間に活動し、若いうちは魚類などを食べるが、成長するに従い、陸上でヤマアラシやアグーチなどの哺乳類や鳥、ヘビなどを食べるようになる。 この食性の変化は、成長すると尾が硬くなり、水の中での推進力などがよく得られないことも一つではないかと考えられている。 また、孵化したばかりの子どもは水生昆虫や節足動物などを食べ、やがて小魚や甲殻類、鳥や爬虫類などを食べるようになる。 獲物は川に沿うように広範囲に移動して行われるが、ブラジルカイマンは首の筋肉が強く、頭をあげるようにして獲物を探す。 普段はじっとして動くことが少ないので鈍重のように見えるが、獲物を捕らえる時にはかなり敏捷に動く。 主な外敵はジャガーで、主に子どもが襲われるが、時には成獣をが襲われることもある。 また、ハナグマやオオトカゲも卵を襲うことが知られている。 ブラジルカイマンの繁殖・寿命 ブラジルカイマンの繁殖期は地域によってやや差があるが、乾季の終わり頃に見られる。 繁殖の詳しい様子などは分かっていないが、雄は強い縄張り意識をもっていることから、繁殖は一夫一婦で行われると考えられている。 雌は植物や土などを用いて塚の様な巣をつくり、10~15個、多ければ20個ほどの卵を産卵する。 産卵の後、卵は植物などで覆われるが、ブラジルカイマンの卵の孵化温度は28~32℃に保たれる必要があると考えられている。 その為、植物で囲まれた卵は、植物が腐敗するときの熱によって効率よく保温されることになる。 また、巣はシロアリの巣の近くにつくることが多いと言われているが、これも卵を孵化させるため、シロアリの巣から発生する熱を利用している為だと考えられている。 ブラジルカイマンは、ワニの中でも唯一シロアリの巣の周りに巣をつくるが、植物で卵を覆ったりすることも含め、日陰の多い森林内での温度調整をうまく行っている。 卵の孵化期間は100~115日程はかかるとされていて、他のワニに比べるとかなり長い期間になっている。 一部のワニ類では、卵の温度によって雌雄の性別が決定されることが知られていて、卵を31~32℃で温めると雄が孵化すると言われている。 しかし、ブラジルカイマンの卵もそうであるのかは確認できていない。 雌は卵が孵化するまでは巣の近くを守っていて、孵化すると子どもを水辺まで連れていき、その後も数週間ほどの間は子どもの近くで生活している。 成熟するまでには時間がかかり、雌雄ともに全長1.3~1.4m程に成長した頃には性成熟するが、それまでには10年かそれ以上はかかると考えられている。 寿命についてはほとんど分かっていないが、飼育下でのもっとも長い寿命は40年のものが知られていて、25年以上の寿命をもっていると考えられている。 ブラジルカイマンの保護状況・その他 ブラジルカイマンは分布域が広いこともあり、現在のところ絶滅の恐れはないとされているが、近年の開発や、それに伴う水質汚染などによって生息地は減少している。 また、ブラジルカイマンの皮は硬く、他のワニのように皮を目的とした狩猟などは行われていないが、地域によっては食用に利用されることもある。 |
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