シマウマは、サバンナシマウマと呼ばれているグラントシマウマやチャップマンシマウマなどのように、アフリカの草原地帯に生息している印象が強いが、ヤマシマウマの仲間は丘陵地帯から山岳地帯に生息するシマウマで、ハートマンヤマシマウマはアンゴラからナミビア西部の山岳地帯に生息している。 ヤマシマウマの特長としては、ウシ科の動物に見られるように、首の下に肉垂が見られることで、ハートマンシマウマにもこれが見られる。 シマウマの特長である体の縞は、はっきりとしていて幅が狭く、グレビーシマウマ程ではないが、縞数は多い。 腹部にははっきりとした縞模様がないが、四肢には蹄まで縞があり、腰にも正中線上に横縞が数本見られる。 耳は細長く、山地での生活に適したように、蹄は硬くてやや幅が狭く、前肢には発達した「たこ」が見られる。 ハートマンヤマシマウマは乾燥した岩の多い山地や丘陵地帯に生息し、斜面や台地でよく見られるほか、平地のサバンナなどでも見られることがある。 ふつうは1頭の雄と数頭の雌からなる小さな群れをつくって生活し、日中は木陰などで休んでいて、早朝や夕暮れに活発に活動する。 行動範囲は季節や食糧事情などによって変化するが、平均すると9~10平方km程度と考えられている。 また、寒い季節には、しばしば樹木が茂った峡谷や洞窟などで過ごし、朝は東向きの斜面にいることが多いと言われている。 食性は他のシマウマと同様植物性で、主にイネ科などの草類のほか、木の葉や樹皮、芽、果実などを食べる。 また、水は毎日飲むが、三日程は飲まずに生活できると言われ、しばしば地下水を掘るとも言われている。 一夫多妻で、決まった繁殖期はないが、出産は11~4月に多く見られる。 妊娠期間は1年程で、ふつうは1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は25~35kg程で、生後数時間ほどで群れと一緒に行動できるようになる。 10ヵ月程は授乳期間があり、1年半から2年程で独立する。 寿命は野生下で20年、飼育下で25年程度と言われているが、飼育下では29年を超えたものが知られている。 外敵はライオンやヒョウ、チーター、ブチハイエナなどがあげられるが、ヤマシマウマには、ハートマンヤマシマウマのほか南アフリカ共和国の山岳地帯に生息するケープヤマシマウマ(Equus zebra zebra / Cape mountain zebra)が知られているが、これはハートマンシマウマよりもやや体が小さい。 両種の生息域は異なっているが、いずれも生息地域が限られている他、開発などによる生息地の減少などによって、現在は国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、どちらも絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定され、保護されている。 ウマ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ハートマンヤマシマウマ