グレビーシマウマはアフリカ東部の乾燥した平原に生息するシマウマで、かつてはエリトリアからジブチ、ソマリア、エチオピア、 ケニアなどに分布していたが、現在はケニア北部とエチオピア南部の限られた地域に分布するだけになってしまっている。 グレビーシマウマは全体に美しいシマウマで、体高は1.5~1.6m、大きいものでは体長が3m程のものも見られ、シマウマの仲間では最も体が大きい。 シマウマの特徴である黒い縞は他のものに比べて細く、グラントシマウマやチャップマンシマウマなどに比べて縞数も多いので、遠くからでも簡単に見分けることができる。 縞は背から腰の正中線上に長くはしっていて、尾の付け根まで続いている。 四肢の縞も蹄まで達しているが、腹部には縞がない。 また、耳は大きく、先端は丸みを帯びていて、雄は雌よりも少しだけ体が大きい。 開けた藪や草原、アカシアが生えるサバンナなどに生息しているが、水源からあまり離れることはなく、エランドやダチョウ、オグロヌーなどと一緒にいることも多い。 群れで生活しているが、グレビーシマウマはサバンナシマウマと呼ばれている他のものと違って、具体的な群れの形をもっていないと言われている。 若い雄は小数が集まってグループをつくっているが、成獣の雄は普段は単独で生活していて、1頭の雄を中心としたハーレム的な群れを維持するのではなく、雌雄共にしばしばメンバーが入れ替わると言われている。 日中は休んで、朝夕に草を求めて活動するが、他のシマウマと同様、グレビーシマウマは視覚、聴覚ともに優れていて、ライオンやチーター、ヒョウやハイエナなどの外敵を探し出すこともはやい。 外敵から逃れる時はジグザグに走って逃げるが、持久力もあり、かなりの距離を走り続けることができる。 また、グレビーシマウマは他のシマウマよりも水への依存が強く、水のあるところへ頻繁に移動する。 5日程は水を飲まずに過ごすことが出来ると考えられているが、嗅覚は鋭く、乾期の時期にも地下の水脈を嗅ぎ分け、土を掘り起こして水を飲むと言われている。 繁殖は7~10月に多いとされているが、グレビーシマウマは一年中繁殖し、決まった繁殖期は見られない。 一夫多妻で、妊娠期間は約13ヶ月程で、ふつうは1産1子を出産する。 生まれた子どもはすぐに歩くことが出来るようになり、捕食者から身を守っている。 授乳期間は6~9ヵ月程続くが、子どもは離乳後も親と一緒に生活している。 群れから離れていくのは雌のほうが早く、雌は1年半、雄は3年程度で離れていく。 飼育下での寿命は30年のものが知られているが、野生での寿命は20年程度と言われ、平均すると12~13年と考えられている。 グレビーシマウマは美しいシマウマであるが、成獣の雄は気が荒くなる。 しかし、その美しい毛皮を目的とした乱獲や耕作地の開発などによって、生息数は減っている。 現在では国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(EN)としてレッドリストに指定されているが、更なる生息数の減少も懸念されている。 尚、グレビーシマウマはグラントシマウマなどのサバンナシマウマとは別属として扱われているが、同属と見られる場合もある。 ウマ科の動物へ / このページの先頭へ |
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グレビーシマウマ