カラカルはインド西部からパキスタン、アフガニスタンを経て、トルクメニスタンやトルコ南部、アラビア半島などに分布しているほか、サハラ砂漠やコンゴ盆地などを除くアフリカ大陸にも広く分布している。 毛は短くて黄色がかった灰色や赤褐色をしているので、一見してオオヤマネコに似ているが、尾はかなり長い。 また、体は全体にほっそりとした感じで、分布域もカラカルとオオヤマネコでは異なっている。 顎の下から胸、腹部は白く、耳の外側は黒く、先には特徴的なかなり長い黒いふさ毛が見られる。 また、目のまわりには黒い輪があり、鼻までのびている。 森林やサバンナ、ヤブ地などに生息しているが、岩山などでも姿が見られ、エチオピアでは標高3000mを超える高地でも観察されている。 砂漠地帯には生息していないが、乾燥した土地を好み、サーバルキャットなどよりも乾燥した環境に適応している。 カラカルは主に夜行性の動物で、昼間は茂みや木の上などで潜んでいることが多い。 夕方から狩に出かけ、ハイラックスや囓歯類などの小動物、鳥などのほか、小型のレイヨウやサル類などを捕らえる。 カラカルは動きがとても敏捷な動物で、鳥の群れを襲い、一度に何羽もとらえることができると言われている。 2m程の高さを飛ぶ鳥なら、跳躍して捕まえることができるほか、足も速く、草原でレイヨウ類を追いかけて捕まえたりもする。 行動範囲は、季節や食料事情、飲み水などによって大きく変わり、アジアの一部での雄の行動範囲は31~65k㎡、雌は4~31k㎡と言われているが、アフリカの一部では、雄の行動範囲が200~300k㎡にも及ぶとも言われている。 しかし、いずれも雄の方が雌よりも行動範囲が広く、およそ倍ほどの行動範囲をもっている。 また、カラカルは単独で行動すると考えられているが、家族単位で活動することも観察されている。 幼獣から飼うとよく馴れると言われていて、イランやインドでは飼いならしてウサギや鳥の狩に使われてきたが、カラカルは気が荒く、時にヒツジやガチョウなどの家畜や家禽を襲うこともある。 また、野生下においても、セグロジャッカルやシマハイエナなどから獲物を横取りするようなこともある。 カラカルには一夫一婦や一夫多妻など、決まった繁殖形態は知られていない。 また、決まった繁殖期も見られないが、多くは8~12月頃に見られる。 妊娠期間は68~81日程で、1産1~6子、普通は2~3子を出産する。 巣は岩の割れ目やヤブの中などにつくるが、ヤマアラシやツチブタが捨てた巣穴などを使うこともある。 生まれたばかりの子どもの体重は200~250g程で、目は1週間から10日程で開く。 授乳期間は4~6ヵ月程で、雌雄共に1年程で完全に性成熟する。 飼育下での寿命は16年、中には20年に達するものもが知られているが、野生ではこれよりも短く、12年程度と考えられている。 外敵はライオンやヒョウ、ハイエナなどだが、近年は森林開発などによって生息地が減少していて、カラカルの生息数も減少している。 現在のところ絶滅の危惧はないとされているが、ワシントン条約によって保護されている。 このほか、カラカルは分布域が広いこともあり、次の8種の亜種が認められている。
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カラカル