トウブハイイロリスはアメリカのテキサス州東部からカナダ南東部などに分布している樹上性のリスの仲間で、アメリカアカリスなどに比べると、体はかなり大きい。 体毛は腹面が白い以外は、全体に灰色か茶色や黄色を帯びた灰色をしている。 尾はふさふさとしていて、体長と同じくらい長い。 また、耳にふさ毛は見られない。 他の樹上性のリスと同じで、森林地帯に生息するが、広葉樹林の森などに多く見られる。 巣穴は樫の木につくることが多く、その実を好んで食べる。 また、樹皮の下の樹液を含んだ組織なども好むが、そのほかの食性は他のリスとほぼ同じである。 木登りはたいへん上手だが、採食するのは地上の場合が多い。 また、冬季などに備えて土中に食物を貯蔵することもあるが、冬眠はしない。 外敵はワシやタカ、フクロウ等の猛禽類やアライグマ、キツネ、コヨーテ、ボブキャット、イタチなどだが、追われると、使われなくなった鳥の巣穴などに逃げ込むことがある。 リスの仲間は、通常年に1回の繁殖であるが、トウブハイイロリスは春と秋の2回繁殖することが知られている。 妊娠期間は44日前後で、1産2~6子、ふつうは3~4子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は13~18g程で、3~7週間ほどは授乳されると言われている。 野生での寿命は12年程度だが、飼育下では20年程も生きると言われていて、リスの仲間ではかなり寿命が長い。 トウブハイイロリスの元来の分布域は北アメリカであるが、1876年にはイギリスに移入され、その後イタリアや南アフリカ、オーストラリア、アイルランドなどにも移入されている。 移入先でも環境によく順応し、都市部などにも定着していて、公園などで人の手から餌をもらっている姿がよく見かけられる。 しかし、ヨーロッパからアジアにかけてのユーラシア大陸に分布するユーラシアリスに比べても体は少し大きく、在来のリスを圧迫している状況でもある。 また、農作物に被害を与えたり、人家に入り込んで、電気コードなどをかじってしまうような被害も報告されている。 日本でも在来種の保護を重視し、トウブハイイロリスは特定外来生物に指定されている。 リス科の動物へ / このページの先頭へ |
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トウブハイイロリス
イギリスや南アフリカなどに移入定着。