イリエワニ さんのプロフィール |
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イリエワニは、アジアに分布しているワニの中では最大のもので、シャムワニなどに比べるとかなり大きい。 名前のように、沿岸域の入江などで見られるが、河川周辺の湿地や淡水の湖沼にも生息している。
イリエワニの分布域・生息環境 イリエワニは、インド南東部からベトナム南部、マレーシアからインドネシアにかけて分布しているが、フィリピンやパプアニューギニア、オーストラリア北部の沿岸部などにも広く分布している。 また、パラオやフィジー、バヌアツやソロモン諸島などの西太平洋諸島でも見られ、河口や河川周辺の湿地などの淡水域に生息しているが、汽水域から沿岸水域でもふつうに見られる。 イリエワニの大きさ・特徴 イリエワニは全体にがっしりとした体つきをしていて、胴体背面に並ぶ背鱗板はよく目立ち、尾も太くて長く、鱗の隆起もよく目立つ。 前肢には指の基部に水掻きがあるが、後肢ではよく発達していて、指の間全体に見られる。 吻は長く、頭部を上から見ると、長い二等辺三角形のような形をしている。 鼻から目にかけては一対の隆起があり、首は太い。 また、頸部に並ぶ頸鱗板は4枚で、後頭鱗板はもっていないなどの特徴がある。 体の大きさは、年齢や生息地の環境のほか、獲物の量などによっても左右されるが、イリエは雄の方が雌よりもかなり大きく、ワニ類の中でもその差が特に顕著になっている。 雄のイリエワニは、成長した若いものから老成したものの全長は3.5~5m、体重200~1000kg程と幅があるが、平均すると4.3~4.9m、体重400~550kg程度と言われている。 また、大きい雄は全長6m、体重は1000kgを超え、稀に全長7m程に成長すると言われている。 しかし、他のワニと同様、近年ではこのような大型のものは非常に珍しく、かつて全長10m程のものもいたと言われているが、そのような大型個体は例外的と言ってよい。 一方、雌は雄よりもかなり小さく、平均した全長は2.5~3m程度、体重は80~100kg程しかない。 大きい雌は全長4.2m程のものが知られているが、ふつうは大きくても全長3.5m、体重120~200kg程で、雄に比べるとかなり小さい。 雌雄ともに体色には変化があるが、緑褐色や緑色を帯びたような灰色、暗い灰色などで、体や尾部に暗色の斑があるものも見られる。 また、腹面は白色や黄色をしていて、幼いものや若いは淡い黄色の体色をしていて、黒っぽい斑がある。 イリエワニの生態・生活 イリエワニは、河口や河川周辺の湿地などに生息しているが、塩分への耐性が高く、汽水域から沿岸水域でもふつうに見られる。 名前のように、入江やマングローブが茂る三角州などで見られるが、一部のものは淡水の湖沼にも生息している。 泳ぐ力が強く、沿岸沿いに長い距離を移動したりするほか、イリエワニは陸地から遠く離れた島嶼部でも見られる。 沖合いを流れる海流に乗って長い距離を移動する傾向があり、西表島や八丈島、奄美大島など、国内へも泳ぎ着いた記録が残っている。 一般には、繁殖期を含む雨季には河川や湿地などの淡水域で過ごし、乾季には河口や沿岸に移動すると言われているが、陸から遠く離れた島嶼部へまで移動するのは、繁殖相手や繁殖場所、獲物などを探すためだとも言われている。 日中は体温を維持するために多くの時間を費やしていて、暑すぎると、しばしば目と鼻だけを水から出して水没している。 しかし、気温が低い時には、体が暖まるまで平らな岩の上などで陽を浴びている。 イリエワニは肉食性で、魚や甲殻類、両生類や爬虫類などのほか、鳥や哺乳類なども食べる。 成長と共に大きな獲物を捕らえるようになり、ネズミやウサギなどの小型の哺乳類から、カニクイザルやテナガザル、ヤマアラシやジャコウネコ、ワラビーやアナグマなども捕らえ、時にはヤギやウシなどの家畜を襲うこともある。 獲物をとらえる時は、目と鼻孔、背中の一部だけを僅かに水面上に出して、水辺に近づいてくる獲物を待ち伏せしている。 獲物が近づくと、水の中から一気に飛び出して攻撃し、強い顎の一撃で獲物を捕らえてしまう。 顎の力は非常に強く、動物の中でも最も噛む力が強いと言われている。 その力はブチハイエナよりも強いと言われているが、口を開く力はかなり弱い。 イノシシやカンガルー、ガウルやマレーバクなどの大型の哺乳類なども捕らえるが、大きい獲物は水の中に引き込んで溺死させ、噛み付いたまま体をグルグルと回転させ、肉を食いちぎって食べる。 また、海に出たときは小型のサメ類を含む魚を食べるが、性質は荒く、時に人を襲うこともある。 成長したイリエワニには外敵はいないが、卵や子どもはニシキヘビや猛禽類、大型の魚、時にヒョウやスマトラトラになどに襲われることがある。 イリエワニの繁殖・寿命 イリエワニの繁殖は、主に9~10月頃の雨季の間に見られ、淡水域で繁殖が行われる。 産卵は11~3月頃で、産卵用の巣はアメリカアリゲーター(ミシシッピーワニ)の巣に似ていて、木の枝や枯葉、泥などを積み上げた高い塚状のものをつくる。 雌は40~60個程の卵を産むが、体の大きいものは90個程の卵を産むこともあると言われている。 卵は長径8cm、短径5cm程の楕円形で、巣に埋められた後、およそ80~90日程で孵化する。 孵化の日数は巣の温度によって変化するが、生まれてくる雌雄の性決定も、巣の温度によって左右される。 ほとんどの雄は、巣の温度がおよそ30~32℃で生まれると言われていて、 これよりも温度が高い、或いは低いと雌が生まれると言われている。 また、雄は繁殖の後は留まることはないが、雌は孵化するまで巣を守り、孵化した子どもの声を聞くと、巣から子ども掘り出し、水辺まで口にくわえて運んでいく。 その後、子どもが泳げるようになるまでは世話をする。 生まれたばかりの子どもは全長28cm、体重は70g程で、生後2年程で全長1m、体重2.5kg程に成長する。 雌は全長2mを超える12年程、雄は3mを超える16年程で性成熟する。 寿命は長く、70年程も生きると言われているが、100年を超えるとも言われている。 イリエワニの保護状況・その他 現在、イリエワニは絶滅の恐れがないとされているが、地域によっては生息地の開発や皮革目的の乱獲などによって生息数が減少している。 かつてはインドシナ半島には広く分布していたとされているが、タイやラオス、ベトナムなどに加え、カンボジアでも既に絶滅していると言われている。 また、インドネシアやフィリピン、マレーシアでの分布域も散在的で、生息数も少ないと言われている。 |
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